お箸とフォーク
「えーと…で?」
「だから、彼が突然乱入して主催者が気に食わないだとか言って大暴れしたんです!」
「はぁ? 何自分に都合良く捏造してるの。僕があの馬鹿を咬み殺したのより、君が皿の上の焼き豚を滅多刺しにしたのが先じゃない」
「物に当たるだけマシです! そりゃあ、あの豚みたいな男に見立てていたのは認めますが、君みたいに直接殴り込んでパーティーを台なしにするほど僕は馬鹿じゃない」
「は、物に当たるってどうなの? 本当女々しいよね、君って」
「あなたみたいに雄々しさと直情傾向を取り違えているよりマシですよ」
「ヒス持ちの君が良く言うよね」
「段階を踏んであげる心遣いがわからないんですか? あぁ、ことあるごとにすぐ棒っきれを振り回す単純なあなたには理解できないかもしれませんね」
「いや、あの、一旦落ち着こうよ、二人とも…」
「フォークみたいな変な武器でいつでもランチタイムな君には言われたくないね。大体何なのあの武器。フォークにしたってせめて四叉にしなよね。持ち主同様中途半端で気持ち悪いよ」
「フォークじゃありません! 大体、僕のがフォークだと言うなら、君のはお箸か何かじゃないですか! 箸使いが下手なあなたには親切ですよね、あの刺々しい滑り止めは」
「ワォ! 面白いことを言うね。そのパイナップルみたいな頭の中はやっぱり果肉と果汁でいっぱいなのかな? 君の言うお箸で割ってみようか」
「クフ、クフフ、あなたの目は白玉か何かですか? あなたの言うフォークで抉って確かめてみましょうか」
「ちょっとねぇ、何この荒んだ雰囲気! 落ち着いて、二人とも! 話せばわかーーーらないかもしれないけど、とにかく、一度落ち着こう!」
「行くよっ」
「行きますよっ」
「ちょ、聞いてます!? おい、骸もやめろよ! ちょっ、う、嘘っ!? ひっ、ひぎゃぁぁぁぁぁ!!」
「俺はお箸もフォークも嫌いだっ!!」
それから一週間、ボンゴレファミリーの食事はスープとパンだけという質素なものになった。
ちなみに、この一週間を『魔のスプーン週間』と呼んだのは、育ち盛りの雷だったとかなんとか。
拍手お礼その3です。会話ばっかりの楽ちん短文ですね。
骸さんのアレ、トライデントと言えば聞こえはいいけれど、まあ基本形状はフォークですよね…。