えんじょいくっきんぐ
「…きょ、極限にまずいぞ…!」
「わ、悪ぃ…さすがにこれは…」
「…揃って味覚オンチとはね…。頭だけじゃなくて舌も愉快だったわけ?」
晴、雨、そして雲という珍しいメンツにぼろくそに言われ、ジョットは肩を落とした。
たまたま時間が空いたので骸にちょっと凝った昼食を作ってやろうとしたら、多く作り過ぎた…までは良かったのだが、見た目だけはそれなりのそれらを調子に乗って守護者にご馳走したのがまずかった。
いろんな意味で、まずかった。
「言いにくいが、あまりこういう食事が続くと身体に悪いと思うぞ」
「日本料理なら教えてやれるぜ?」
「君、こんなのばっかり食べてたらいつまで経ってもちびっ子のままなんじゃない? あぁ、むしろデブっ子かもね。いくら隠せるからって油断してたらすぐだよ、すぐ」
ぶちっ
「〜〜〜どいつもこいつも勝手なことをっ!! 僕以外ジョットの料理を食べないで下さい!」
ただでさえ二人の時間を邪魔されて不機嫌だった骸は、邪魔者たちの散々な物言いでついに堪忍袋の緒が切れた。そして思わず飛び出た大胆な発言に、一瞬場が静まり返る。
「…はっ!? い、いえ、今のは違ーーー」
「ワォ、独占宣言? ほんっとガキだね、君」
「〜〜〜黙りなさいっ!!」
堪らず三叉剣を取り出す骸。幻覚で隠されているが、実は耳まで赤くなっていた。
「わ、わわ! 待った! こんなところで武器出しちゃダメだってば骸! 抑えて抑えて!」
慌てたジョットがすぐさま止めに入るが、骸は更に険を深める。
「にやにやしながら言わないで下さいっ!」
「いや、だってさぁーーー」
「ちょっと、来るの? 来ないの? 僕が先に手を出すと弱いものいじめしてるみたいで気分悪いからハッキリしてほしいんだけど」
「………………っっ」
雲の発言に幻覚の姿まで険しく表情を変え、骸の手は三叉剣を握りしめてぶるぶると震えた。
「おイタは駄目だってば! 今度はお前の大好きなチョコで何か作ってやるからさ! な!」
ぶちぶちっ
言うに事欠いて、お、おイタだと…?
「……こ、このーーー!」
「あちゃー、これは地雷かなぁ」
「うむ。極限に部下を避難させるべきだ」
「やっぱりガキだね」
「…え? 俺何かマズイこと言った?」
「あなたが1番ムカつくんですよっ!!」
「ぎゃ〜〜〜〜〜!!」
「…こんくらい…?」
「多過ぎます。茶さじ2杯半ほど減らしなさい」
「…じゃあこんくらい?」
「少な過ぎます。米4粒分ほど増やしなさい」
「………こ、これくらい?」
「まだ足りません。あと1粒分追加」
「…こ、これでどうだっ」
「多過ぎます」
「…………………」
「………なんです」
「なぁ骸…俺もう疲れたよ…」
「何を言ってるんです! 悔しくないんですか!? あんなにおいしいのに!」
「む、骸〜!!」
「は? …あ! いえ、違います! 忘れて下さい! わ、ちょ、ちょっと…!?」
ばたばたと抵抗する骸を抱きしめるジョットの手元には、塩やら砂糖やらの調味料に混じって、しっかりとチョコレートが置いてあった。
拍手お礼その2です。1よりは長くなりました。骸さんのツンデレ度が若干高め…?