ありがとう、なんてね
*『比翼の鳥』本編11話と12話の間の話です。
(やはり何かしら礼をすべきか…)
ごろごろ
(でも、面と向かって礼なんて無理です)
ごろごろ
(嫌ですし…)
ごろごろ
(屈辱ですし…)
ごろごろ
(かと言ってこのままというのも、借りを作ったままで気持ちが悪い)
ごろごろ
(やはり物がいいでしょうね)
ごろごろ
(でも今の僕は何も持っていませんし)
ごろごろ
(謹慎中だから外にも出れませんし)
ごろごろ
(…どうするか…)
ごろごろ
ごろごろ
ごろん
「…?」
ベッドの上を転がり続けているうちに、シーツとベッドの隙間に何かのカケラが挟まっているのを見つけた。なんとなく見覚えのある風合いの、薄茶色くてぼそぼそした何か。
「あ」
そうだ、これは恐らくいつぞやの悪夢のシュークリームのシュー部分だ。そういえばあの時のシュークリームは全てジョットの手づくりだったか。
(………僕の手料理が食べたい、だったか…)
確かジョットはそう言っていた。そんなことのためにああも回りくどいことをする根性は、一体どこから来るのやら。なんというか…そう、こそばゆい感じがする。
(全く、変なところで意地っ張りなんですから…)
「…仕方ないですね」
たまには、いい息子を演じるのも悪くはないか。
さぁ、そうと決まったら何を作ろうか。いろいろあって疲れてるだろうし、甘い物がいいか。そうだ、あの時の…チョコレート? 図書室で少し調べてみようか。
僕が菓子なんて作ったら驚くでしょうかね。でもきっと、あの人なら喜んでくれる。
「クフフ」
うん、こういうのもーーー悪くない。
拍手お礼の存在を忘れてたぁぁぁ!!な感じで1〜2時間くらいで書いた話です。妙に長くなりがちなこのサイトにおいては極端に短いですね〜。